[人面瘡の巨大直腸異物に関わる症例報告]
XXXX総合病院 外科
〇〇 医師
患者:68 歳、男性。
主訴:左膝痛
既往歴:高血圧、脂質異常症、人面瘡(右膝)
現病歴:
右膝に顕出している人面瘡からの要求に従い、人面瘡の肛門瘡(図 1)を左膝関節部に召喚後、自慰目的で直径約50mmのシリコン製玩具を挿入した。
普段よりも直径の大きな玩具挿入であったため抜去不能となり、左膝の圧痛を訴え救急搬送された。
来院時現症:
血圧 163/92mmHg,体温36.9℃
肛門瘡外部からシリコン製玩具は目視で確認できず。
単純レントゲン検査にて左膝部に肛門瘡の直腸およびシリコン製玩具の一部を認めたが、患者左膝内部と肛門瘡直腸部位の境界から玩具先端が消失しており(図 2a)、異物挿入状況は部分的確認にとどまった。
手術所見:
左膝麻酔下で用手的な引き出しを行おうとしたが、人間の肛門と比べ肛門瘡は直径が小さく指で玩具を挟み込むことが困難であった。次に膝外部から玩具を押さえて固定し、ミオームボーラーを穿刺し牽引を試みたが前述の玩具消失部分が患者の膝内部と癒着しており(図 2b)、膝部顕出状況での物理的抜去はできないと判断した。
医学的説明を用いた十分な説得の後、左膝の肛門瘡を患者肛門に再顕出させ、患者と人面瘡の直腸を重ね合わせることで玩具消失部位の癒着を解消、通常の経肛門的アプローチにて玩具の摘出を行うことができた。直腸への異物挿入の危険性について説明したうえで、患者は当日中に退院。